50ぐCPU已知某物体的温度知多少

前段时间的“小阳春”天气, 让人们感受到了冬日难得的温暖,但是这样的好天气维持不了多长时间了。昨天,省气象台召开新闻发布会,21日(冬至)起将有一股强冷空气自北向南影响我省。受强冷空气影响,全省将会出现6―8级大风,同时气温会“暴跌”10~14℃。预计,22日到23日的最低温度为:淮北地区-9~-10℃,本省东南部地区-4~-5℃,其它地区-6~-9℃,全省有冰冻。气象专家提醒市民,气温突然下降,一定要及时做好防寒保暖的准备。
  9-10日,全省气温创近40年新高
  这段时间的天气,一直持续温暖。中午的时候,如果在室外多走几步,还会觉得有些热。据省气象台介绍,本月9-10日,白天受暖平流和辐射增温的共同作用,我省淮河以南地区气温迅速上升,10日最高温度达19~23℃,其中南京的最高温度达到22.2℃,创下1969年以来最高值。
  而10日夜里和12日,先后有两次较弱冷空气影响我省,气温略有回落,但人们感觉仍比较暖和。据省气象台监测,昨天南京最高气温达到16.1℃。另外,自10月份以来,我省降水偏少,淮北部分地区出现旱情。同时,森林火险指数居高不下。长期不下雨,人体感觉也非常干燥,走到哪都会有“静电”,“噼里啪啦”让人感觉很不舒服。
  本周日进九,全省大降温
  不过,这样的温暖天气很快就要结束了。据省气象台首席预报员尹东屏介绍,21日,将有一股强冷空气自北向南影响我省,我省将先后出现东北大风:陆地上6~8级,江湖河面上8级,海上9~10级。同时,气温会明显下降,降温幅度可达10~14℃,预计22日到23日的最低温度为:淮北地区-9~-10℃,本省东南部地区-4~-5℃,其它地区-6~-9℃,全省有冰冻。南京地区,22-23日早晨的最低温度将创-6℃~-8℃新低。
  据了解,本月21日(星期日),太阳到达黄经270度,正值“冬至”节气。“受北方强冷空气影响,冬至日北方有寒潮入侵,‘头九’就会出现持续低温、冰冻的天气。”尹东屏介绍说,进入冬至就开始进入“数九寒冬”,它以冬至日为起算点,数上9天是一九,再数9天是二九……数到“九九”就算“九”尽了。一般来说,三九、四九是全年最寒冷的季节。
  可能是南京17年来12月份气温最低值
  另据介绍,受冷空气影响,预计20日到21日,我省自北向南会有一次弱降水过程,“预计本次以小雨过程为主,但不排除雨夹雪出现的可能。”省气象台副台长魏建苏表示,此次强冷空气影响有三大特点:一是10℃以上的降温,二是6~8级的东北大风,三是3天以上的持续低温,并有冰冻出现。提醒有关方面做好防风、防冻的准备。
  -8℃的低温会有多冷?根据南京历史气象资料显示,这样的低温在12月下旬并不多见,告别南京已有17年了。省气象台副台长魏建苏告诉记者,自1951年以来,12月份南京出现-8℃以下的低温并不多,中旬仅有两次,1969年-8.5℃和1960年-8.3℃,下旬相对多一些,但也只出现过7次,最低纪录是1991年创下的-13.1℃,而在此后的17年间,南京12月下旬就再也没有-8℃以下的低温,最近的一次低温是2005年出现的-7.9℃。
  全省明后两天天气预报:12月19日,全省多云,最低温度: 3~4℃,最高温度:13~14℃。12月20日,全省多云转阴有小雨,最低温度:4℃左右,最高温度:12~13℃。
怎么办,零下八度诶姐妹们~~~要结冰了啦~~
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参与上面帖子讨论
发表于:08-12-18 09:40
不喜欢冬天哦
の)&-&&&&&&&&&&&&&&&&&&&┃
&&\\&&&m「~子的x_m。..
&&&&&&&&&是因..L的追求&..t   
&&&&&&&&&&&&&&&&&&
&&&&&&&&&&&&&&&&是m.涞牟煌炝簟&
&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&  
                  
发表于:08-12-18 09:41
我还打算周末去南京呢
句容淘宝拼单营&群号&
人在句容的都可以加哦.
善良美好,却又矛盾重重.&
追求自我的完美和单纯高尚的快乐.
唯真难继,至亲易疏。情到深处,人自孤独。
wo简单,所以wo快乐&QQ:
发表于:08-12-18 09:42
这个天忽冷忽然的,真不舒服
婚纱照:米兰尊荣
婚纱:米兰尊荣
酒店:太阳宫太平洋厅
婚庆:红双喜婚庆
跟拍/摄像:红双喜婚庆
发表于:08-12-18 09:46
不会把,一下子降温那么多啊
婚纱照:雪中彩影
婚纱:未定
酒店:未定
婚庆:未定
司仪:未定
跟妆:未定
跟拍/摄像:未定
戒指:未定
蜜月游:未定
发表于:08-12-18 09:46
知道喽,注意保暖啦
&&&&婚期:2009年,待定
&&&&婚照:想要今生或者米兰
&&&&职业:&
&&&&蜜月:
发表于:08-12-18 09:48
是的啊,今天报纸头版都有大标题,所以各位要注意保暖哦!
婚期:2009年X月X日
婚纱照:待定
婚纱:待定
酒店:待定
婚庆:待定
司仪:待定
跟妆:待定
跟拍/摄像:待定
戒指:待定
蜜月游:向往马尔代夫
&&※结婚一族※
发表于:08-12-18 09:53
天气真是越来越冷了
婚期:未定
婚纱照:未定
婚纱:未定
酒店:未定
婚庆:未定
司仪:未定
跟妆:未定
跟拍/摄像:未定
戒指:未定
蜜月游:未定
发表于:08-12-18 09:55
乖乖,我怕冷
婚期:未定
婚纱照:雪中彩影
婚纱:未定
酒店:未定
婚庆:未定
司仪:未定
跟妆:未定
跟拍/摄像:未定
戒指:未定
蜜月游:未定
发表于:08-12-18 09:57
说是忽然要变成-8°哦,jms一定要注意了哦。
花开了,然后会凋零;星星是璀璨的,可那光芒也会消失。
这个地球,太阳,整个银河系,甚至宇宙,也会有死亡的时候。
人的一生,和这些东西相比,简直就是刹那间的事情。
在这样一个瞬间,人降生了,笑着,哭着,战斗,伤害,喜悦,悲伤,憎
一切都只是刹那间的邂逅,而最后都要归入永久的长眠中。婚期:X年X月
婚纱照:雪中彩影
跟拍/摄像:
戒指:钻石无限美/宝庆银楼
蜜月游:海南三亚
发表于:08-12-18 09:59
星期天MM要多穿点衣服哦
婚期:2009.9月或10月
婚纱照:雪中彩影
婚纱:雪中彩影赠送的
酒店:古南都
婚庆:未定
司仪:未定
跟妆:未定
跟拍/摄像:未定
戒指:未定
蜜月游:未定
发表于:08-12-18 09:59
我的天啊,要多穿点了
有你就有奇迹,
&&&&&&哪怕没有阳光。
发表于:08-12-18 10:05
要开始真正的冷了
婚纱照:龙摄影
跟拍/摄像:
戒指:地质人
蜜月游:想去丽江
发表于:08-12-18 10:07
真正的冬天来了啊
发表于:08-12-18 10:10
冬天来了,要穿厚毛裤了
婚期:2009年底
婚纱照:待定
婚纱:待定
酒店:待定
婚庆:待定
司仪:待定
跟妆:待定
跟拍/摄像:待定
戒指:周大福
蜜月游:待定
发表于:08-12-18 10:13
太冷了吧~哎
发表于:08-12-18 10:23
现在天气越来越不正常了,往年早早把羽绒服套上了,现在还没拿出来,前段时间零下上早班冻得不行,买了个绒线帽子,结果戴了一天就升温了,这下降温又要包的严严实实了。
&&&&&┣━┒&;&`.┣─┒` &.. ; &&&&&&&&&&
   ┟━┃┍╄┓┟━│&╃━ `  & 
  `&┝─┃┣╈┤┣━┃;/&╈&t⌒&
  .┗━┘┗┸┛└━┛/┃┻&`.
婚期:2009年
婚纱照:未定
婚纱:未定
酒店:未定
婚庆:未定
司仪:未定
跟妆:未定
跟拍/摄像:未定
戒指:钻至尊
蜜月游:未定
发表于:08-12-18 10:28
不喜欢天冷,但喜欢下雪
酒店:江苏饭店
跟拍/摄像:
戒指:千年翠钻
发表于:08-12-18 10:38
冬天真的来了!
发表于:08-12-18 10:53
好冷啊,怎么办
发表于:08-12-18 11:12
冬天不喜欢
婚纱照:米兰尊荣
酒店:金陵晶元
婚庆:金百庭
司仪:田阿东
跟妆:小鱼工作室――小鱼
跟拍/摄像:小鱼工作室――小刀
发表于:08-12-18 11:13
那是的,我感觉身体素质差了,老有感冒的现象的
发表于:08-12-18 11:34
听起来有点吓人啊
发表于:08-12-18 11:39
报纸上面看到了,有很多年没出现这么低的温度了
婚期:2009年X月X日
婚纱照:今生
婚纱:未定
酒店:未定
婚庆:未定
司仪:未定
跟妆:未定
跟拍/摄像:未定
戒指:未定
蜜月游:未定
发表于:08-12-18 11:50
零下八度就在家捂被窝,不出门
发表于:08-12-18 12:02
谢谢提醒啊
世上女子千千万,唯有闫妮最好看&
她的笑容,夹杂着不同寻常的浪漫,带给我们清新的芳香&&
她的身影,幻化出别具一格的魅力,赐予我们甜蜜的享受&&
万千回眸中,她总带给我们沁人心脾的感动&&
几多感慨里,她总是用真诚的心与我们交流&&
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善良的女人,如百合般高洁动人&&
细腻的女人,如芙蓉般天然纯净&&
自然的女人,如春风般滋润心田&&
真诚的女人,如细雨般净化人情&&
我们深深地为这个真实而美丽,自然而优雅的女人折服,她就是我们的姐
发表于:08-12-18 12:13
看来偶出去时,友要裹的像个包了!实在不行俺就裹几床厚厚滴大棉被!嘎嘎
发表于:08-12-18 12:23
要零下了哦
发表于:08-12-18 13:05
要多穿点衣服哦
对我而言,过去平淡无奇;而未来,却是绚烂缤纷----河西在西&
发表于:08-12-18 13:13
不是很清楚
韩国MRCARD个性化名片,世界专利的亲环境PET材质,现已风靡全球。
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诚招--加盟商户!
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发表于:08-12-18 13:16
一下子降温那么多啊
发表于:08-12-18 14:23
更要注意保暖了哦
发表于:08-12-18 14:27
周日是冬至啊,真正的冬天马上要来啦
你是一树一树的花开,
是燕在梁间呢喃,
──你是爱,
&&&&&&是暖,
&&&&&&是希望,
你是人间的四月天!
发表于:08-12-18 14:54
不喜欢冬天
发表于:08-12-18 17:48
我要冬眠了
内有恶女,生人勿近
发表于:08-12-18 17:56
偶是从苏北上学回来的,应该还是能承受的
婚纱照:未定
酒店:江北
婚庆:未定
司仪:未定
跟妆:朋友
跟拍/摄像:朋友
戒指:通灵
蜜月游:马尔代夫
发表于:08-12-18 17:57
要是下场雪,倒是挺不错的
大梦初醒已千年&
放眼难觅旧衣冠&
看朱成碧玉迷乱&
魂无归处为情牵&
发表于:08-12-18 17:57
大家注意保暖啊
发表于:08-12-18 18:10
要保暖了哦
婚期:X年X月X日
跟拍/摄像:
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留言内容: この実験の装置は第35図に示す通りである。
 Aは銅で作った箱で、中に酒精を満たし、その中に銅の蛇管じゃかんを挿入し、蛇管の中に液体空気を通して酒精を冷すのである。この銅箱の底は下の木箱内に露出している。
 つまり下の木箱の方から見れば天井が銅板になっているわけである。この銅の天井へ霜の結晶を附着させるのである。Bは保温用の木の箱で、AとB、つまり木箱と銅箱との間には綿をつめる。Cはやはり木の箱で、前面は硝子を嵌込はめこんであり、下のEなる皿には水を入れ、図で見るように電熱で所要の温度に保つのである。寒暖計は七本用い、酒精の温度、銅面直前の気温、水温の外に水蒸気の対流の起る空間の四点の気温を測った。初め(以下またはなどの記号は一々説明をつけぬが前記の説明の通りである)を零下二十度位にして置いて、下の水温を五度乃至十度に保って暫く待っていると、上の銅板の面から白い雪ようのものがちらちら降って来るのである。これは銅面に出来た霜がちぎれて落ちて来るのであって、丁度雪が降っているのと同じような状景を呈するのである。この霜を冷い硝子板で受け取って、顕微鏡下でその形を調べるのである。小形の霜の結晶は銅面に附着したまま落ちないから、かき落して調べた。この実験をした所は冬季暖房装置を止めた室内で、零度乃至三度位の気温の時が実験に便であった。
 この実験によってわれわれの知ったことは次の如くである。少し専門的な説明になるかも知れないが、この部分は相当必要な事柄であるし、かつ読者が興味をもって読まるれば、訳なく諒解されるはずのことである。結晶の形をきめる主な条件は過飽和の度であるということは、雪の場合と限らず結晶一般の性質として分っていることである。この実験ではその点が更に詳しく明かにされたのであるが、その説明に先だって、飽和、過飽和及びそれに関係ある事柄について簡単に触れて置くこととする。
 われわれの大気中には常に水蒸気が多少含まれていて、一立方米メートルの空気中にある水蒸気の目方を瓦グラムで表わし、これを湿量あるいは絶対湿度といっている。しかし空気が乾燥しているとか湿っているとかいうことは、必ずしもこの空気中の水蒸気の量の多少だけでは決まらないのである。それは何故かというと、同じ一立方米の空気でも温度が高いほど多量の水蒸気を含むことが出来るからである。例えば温度が十五度の時は水蒸気を含み得るだけ含んだとしても十二瓦八ばかりであるが、三十度の時には約三十瓦四も含むことが出来るのである。それ故に、例えば同じ一立方米の空気中に水蒸気が十瓦含まれている場合を考えると、温度が十五度の時ならば、それは含み得る水蒸気の極量に近い分量を含んでいることになるから、よほど湿っていることになるが、もし温度が三十度であったならば、それ位の水蒸気ではまだ多分に水蒸気を含む余地があるので、空気は十分乾いているということになるのである。そこで空気の乾湿は、一立方米の空気中に現に含んでいる水蒸気の分量と、その時の温度で含み得るだけ含んだ場合の極量との比で示し、これを比較湿度または単に湿度と呼ぶ。通例パーセントで示すのであるが、そのパーセントを略して湿度八〇とか六〇とかいう風に呼んでいる。即ち湿度は零ゼロと百との間の数で示される。そして水蒸気が極量に達した時、即ち湿度一〇〇の時を空気が水蒸気で「飽和」したというのである。
 この水蒸気で飽和した空気を漸次冷して行くと、その水蒸気の一部は、気温によって水滴になるかまたは氷の結晶となって分れ出るはずであるが、実際は空気中に前に述べたような吸湿性の細塵やイオンなどがないと、水蒸気は凝結の手がかりがないために温度が下っても凝結しないでいる。この状態では水蒸気はその気温での飽和の状態以上に存在するので、即ち「過飽和」の状態になっているのである。空気がこういう過飽和の状態になってしかも気温が零度以下の時に、何か核になるものがあると、其処から雪の結晶が生じ、更にその後過飽和の空気がこの結晶に触れると雪はどんどん生長して行くのである。
 ところで第35図においてCなる箱の内部での水蒸気流の状態を見るために、下の水温が室温より高い場合と低い場合とについて、それぞれ箱内の各点での温度を測定して見た。その温度分布状況を見ると、水温がかなり高い時でも大体箱の内部は一様に室温に近い値となっていた。この時箱の内部を、硝子板を通してよく見ても、著しい霧のようなものは見えない。つまり水蒸気は過飽和の状態で上部の場所に運ばれ、そこで霜の結晶となって凝縮するということが分ったのである。
 ところで結晶形はととで主として決定されているらしいので、この時の過飽和の度合をきめる必要がある。その目安として過飽和の比を採用することにした。というのはなる水温の所での飽和水蒸気圧と結晶の出来る所の気温での飽和水蒸気圧との比である。即ちで現したものである。これは下の暖い水温の所で飽和した水蒸気流が上方の冷い場所へ行った時の過飽和の度を示すものである。もっとも過飽和の度は両者の差でもあらわせるが、この実験の結果ではを一つの目安と採った方が結果の整理に好都合であった。それで以下この過飽和比を主として用いることとする。
 このは結晶の出来る時に実際に過飽和が何倍になっているかを示すものとは限らない。内部の対流の工合ぐあいで蒸発する水蒸気が全部霜の出来る場所へ運ばれるとは限らない。また上昇する気流が水面を離れる時にもその条件で完全に飽和されてはいない。それ故に実際に結晶の出来る所での過飽和の比はより小さいものである。即ちの値自身は装置の形、周囲の熱的条件などによって変るものである。しかし相対的には一定の装置についてはを以て各種の結晶が出来る時の過飽和の度合を示すものとすることが出来るのである。
 この実験の結果ではが大きい時は結晶は針状になり、以下が小さくなるに従って、結晶は樹枝状、樹枝角板中間型、角板、角錐、角柱、側面付角柱の順に変化して行くことがわかった。それらの結果は次の表で示す通りである。
こういう風にして作った各種の霜の結晶は大体において雪の結晶と同じものであるが、中には少しく違っているものもあった。
 各の結晶について簡単な説明をすると、
(1)針状結晶 過飽和の比が一番大きい時に針状が得られたことはちょっと意外であった。この結晶は、針が数本並行に束になっている点も雪の場合に似ている。過飽和比は六乃至八の範囲内にあって平均七?五になっている。雪の針状結晶が気温が高く水蒸気の量が多いと思われる時降ることと、この実験の結果とはよく一致している。
(2)樹枝状平板結晶 樹枝状結晶が水蒸気の供給が多い時、即ち生長速度の大きい時に出来ることは、雪の場合と限らず結晶一般の性質である。この実験の条件ではの平均が六?六位の時にこの樹枝状が得られた。
(3)樹枝角板中間型 をだんだん減少して行くと、前述の樹枝の一部を示す鱗片が拡がって来る。そしてが三?五乃至五?五位の範囲内では小角板が集まって簡単な樹枝状をなしたような即ち樹枝角板中間型となる。
(4)角板 を更に小さくすると、即ち三乃至四の範囲内では角板が益大きくなって来る。その時出来る角板は勿論一枚であるが、このような角板が六枚集った雪は実際に沢山存在する。また稀には全くの六角板が出来ることもある。この種の六角板の結晶は霜の糸が垂れ下って、その先端に、糸に殆ど垂直に附着して発達したものである。即ち附着すべき固体表面の影響を余り受けなかったので、正規の六角の形、つまり空中に浮游して出来る雪の形と似たものになったのである。
(5)角錐 角錐は天然の雪の結晶の中では最も珍しいものであるが、人工霜の場合は比較的簡単に出来た。この角錐と次の角柱とは殆ど同じ条件で出来たのであって、が樹枝などの場合と比較して三分の一以下に小さくなった場合である。結晶生長速度は随って非常に遅く、大形の結晶は得られない。
(6)角柱 これも非常に小さい結晶としてのみ得られる。角柱と角錐とは同時に出来ることが多い。二つの組合せからなるいわゆる砲弾型のものもしばしば観測された。
(7)側面結晶 角柱結晶を作っている間に、角柱の一側面が延び出たような形のものが時々得られた。この時のは一?六位で角柱の出来る条件と大体同じであった。この側面結晶が実験室内で出来たので、天然雪の一般分類の中にも側面結晶という新しい種目を入れることが出来たのである。
 以上に述べたように、天然の雪の各結晶にそれぞれ対応する霜の結晶が、人工的に作られたので、その条件から天然の雪の生成条件を幾分類推することが出来るようになった。しかしまだこの実験で得られた霜の結晶は雪の結晶とは完全な一致を見ていないものもあったので、更に進んで本当の雪と全く同じものを作る実験に入る決心をしたのである。
 人工霜から更に進んで人工雪を作ろうと決心しても、決心や信念だけで自然現象が分るわけもないので、仕方なく唯一の手がかりたる霜の結晶をもっとよく見ることとした。先ず前の実験装置で霜の結晶が何故自然にちぎれて落下するかということを見るために、銅箱の底に銅の楔くさびをつけてその楔の先端に霜の結晶を作るようにして、その結晶を箱の外から焦点距離の長い顕微鏡で覗くことにした。そうすると霜の結晶が段々生長して行く途中の各状態を、外からいつでも観測することが出来るのである。その実験で難なく分ったことは、霜の結晶が或る程度発達すると、銅面に近い即ち根の部分が昇華のためにだんだん細くなって行って、遂にちぎれるのであった。霜が或る程度以上発達すると、下から上って来る水蒸気は、叢生しているこれらの結晶の内部まで行くことが出来ずに、逆に出来ていた結晶の水分子までがより冷い銅面の方へ昇華によって移ってゆくので、根元はだんだん瘠せるのである。そして遂には霜の結晶が細い氷の糸で吊られたような形になり、ついで結晶がちぎれて落下するのである。それで完全な人工霜を作るには、銅箱を冷してその面に作るのでは駄目で、そういう冷たい銅箱を取り除けてしまって、装置全体を冷たい室の中に入れなければならないという大切なことが分ったのである。随って人工雪の場合においては勿論のことである。ところが丁度その頃北海道帝国大学内に、常時低温研究室という御誂おあつらえ向きのものが設置された。
 この実験室は一九三六年の二月に出来上った。その主な実験室は、縦、横、高さ各四米で、即ち八畳の間位の大きさである。この室が年中零下五十度までの任意の温度に冷して、その寒冷の温度で保てるようになっている。外にその主室の半分の大きさの副室がついていて、この方は零下三十度まで冷却出来るようになっている。冷却機はアンモニア使用の製氷機である。この実験室が出来たので、大喜びで早速人工霜の装置を低温室内へ持ち込んで、大いに馬力をかけて実験することとした。もっとも零下五十度まで冷せるといってもそんなことは止むを得ぬ時だけにして、大抵の実験は零下三十度附近の所で行うことにした。それでもこの室へ入る者は、毛皮の防寒服、防寒頭巾、防寒靴及び手袋を着用しなくてはならないことは勿論である。丁度北満の厳寒の野に立つ哨兵しょうへいとまったく同じような服装をして、こまかい物理の実験をしようというのであるから、仕事はなかなか思うようには捗はかどらない。その様子は第36図(第10図版)の写真を見ていただけば了解されることであろう。
 零下三十度といっても、風がないので、はいった当座はそれほど寒いとも思わないのであるが、三十分も中で仕事をしていると、急に身体が冷えて来る。特に夏がいけないのであって、外の気温が三十度近くある時などは、急に六十度からの気温の激変に会うことになる。そういう気温の激変に度々会っていることは、健康のためには勿論よくない。それでも少しずつ身体を馴らして行くと、案外耐えられるのである。
 ところでこの室で実験をするためには、前に示した人工霜の装置を少し改める必要がある。前図のA及びBは今度は必要がなくなる。即ち上部の銅箱を銅板に代えたものを低温室へ持ち込んで、前と同様の実験をしたのである。初めの中の実験は零下二十度乃至三十度の室温で行うこととした。また他に第37図のような硝子製の装置を作り、特に純粋にした水あるいは重水で霜を作って見る場合にはこれを使うことにした。この装置も主意は前装置と全く同様である。(図中細い毛に六花の結晶の附いたように描いてあるのは、後で述べる人工雪である。初めは毛の代りに木や銅の楔くさびを置いてそれに霜をつけることにしたのである。)
 このように低温室の中で人工霜の実験をやり直して見ると、予期通り、見事に発達した美しい霜の結晶がいくらでも出来るので大いに力を得たのである。そしてこの実験では、先ず霜の結晶の生長の各段階を調べることとした。雪に限らず凡すべての結晶は、生長の速度が大きくなると樹枝状に発達し、小さくなると簡単な基本形に近い形となる。そして前にいった過飽和の度というのは、この結晶の生長速度を支配するのである。それで角板は生長速度が遅く、角柱、角錐になると更に生長が遅いということは結晶の常識で考えられる。実験の結果は予期の通りで、例えば気温零下二十五度、水温零度で一晩放置しておくと角板の見事なものが得られた。その時の生長速度は樹枝の時の約十分の一であった。このようにして色々の型の霜の結晶を作ってその生長速度を測ったのであるが、その結果を応用して天然の雪のことを考えて見ると色々の点が分って面白かった。例えば、わが国では綺麗に発達した六花型の雪が多く、六角板状のものは比較的稀である。これは勿論湿度が常に大きいためによるものと諒解されるのである。アメリカではベントレー氏の観測結果によると、六角板状の大形の結晶がかなり多いのであるが、それは非常な上層から地表近くまでずっと湿度の小さいような気象状態の時が多いということを示していると思われる。我国で時々見られる六角板は非常に小さいが、これは稀に湿度の小さい気層があっても、それが薄いものとして説明される。欧洲で観測された雪の結晶をヘルマン教授が調べたところによると、六角板状のものは皆小形であるということになっている。その点はわが国の冬期の上層の気象状態と似ているのであろうか。尤もっとも最近の人工雪の実験の結果によると、角板になる条件は湿度が小さいことばかりでなく、気温、水蒸気供給度、水蒸気の温度などが時間的に一定であるということも大切であることが分った。この点も考慮に入れて置く必要がある。
 前に挙げた重水による実験の結果はここには煩を避けて記さぬこととするが、重水の霜もまた後に作って見た重水の雪も、普通の水の霜や雪と本質的には差のないことが分った。
 以上の実験でとにかく霜の方は先ず完全な結晶を人工的に作ることが出来るようになった。
 すでに述べたように霜と雪との間には、結晶習性上本質的の差はない。それで人工霜の生成条件から或る程度まで雪の結晶の出来る時の状況を類推することが出来るのである。それで私は、霜に関する実験の記述を随分廻りくどく述べた。しかしこれは雪の結晶を作ることを説明するのに、徒いたずらに迂廻していたことには当らない。事実は、私の研究自体がこのように迂廻した経路を踏んで来たのである。
 さて霜の生成条件と雪の結晶が出来る時の条件とはほぼ同じだといったものの、霜の場合にはすぐ近くに固体表面があるので、つまり霜は地物の上に出来るものなので、その熱的影響のために、余分の条件が一つ入ることとなる。それで人工雪の場合には、なるべく天然の雪のように空中に浮游の状態に近い条件の下で結晶を作るようにする必要があった。しかし、狭い実験室の中で、天空から数時間もかかって落ちて来るのと同じ条件を作ることは出来ないので、それだけの時間の間、なるだけ空中に浮游しているのと似寄った条件の下に結晶を置くように工夫をしたのである。それには細い繊維を使い、その一点に結晶の核を附着せしめ、それから結晶を発達させるという方法が先ず考えられた。即ち雪の結晶を蜘蛛の糸で吊したような形で作って見ようというのである。それで早速その方法を採用したのであるが、低温室内に装置を入れて、繊維を吊して、温い水蒸気を送って見ると、繊維一面に霜の結晶が附着して、丁度毛虫のような形になってしまうのにはちょっと弱った。これでは困るので、繊維上の一点だけに氷の結晶を付け、そこから雪の結晶を発達させながら、繊維の他の部分には霜が附着しないようにする工夫が次に必要となって来た。初めの中は、そんな勝手なことが注文通りに出来るとはちょっと考えられなかったのであるが、有難いことには、根気よく色々やって見ていると巧いものが見付かった。それは極細い兎の腹毛であった。どうして兎の毛がよいかという理由は、後で詳しく述べることとして、とにかく兎の毛を巧い条件の下で使うと、ちゃんと雪の結晶が出来たのである。その条件というのは先ず兎の毛を十分よく乾燥させて置くことと、水温を初め低くして置いてそれから徐々にあげることとであった。
 このようにして水温を適当に調節してやると、天然の六花の雪の結晶と全く同じものも出来れば、角板状、角柱、砲弾型などのいろいろの結晶も、後には勝手に作ることが出来るようになったのである。
 その生成条件をきめるものは、第一に過飽和の度合であり、この点は人工霜と同様であった。そして今度の実験では、その外に結晶の出来る所の気温、対流の様子などによってもかなりの影響をうけることが分った。この実験に用いた装置は前出の第37図に示すものであって、これではまだ不十分な点が沢山あるのであるが、とにかくこれで雪の結晶が人工的に出来ることになったのである。
 前の実験に用いた装置が不十分であるというのは、第一にあの装置では内部の空気の対流がどうなっているか全然見当がつかなかったのである。それで今度は前の装置を少し改良して第38図のようなものを作った。
 これは大部分硝子製で、大小二本の硝子管を図の如く立てて、暖い水蒸気は内部の管内を上昇し、冷えた空気は二本の硝子管の間を下りるようにした。即ち空気は第38図に矢印で示したような経路の対流を起すのである。図中Cは銅板の蓋でその内面にはDなるコルクまたは木の板を置いた。Dは結晶が直接冷たい銅板に面しないために挿入したもので、Dの有無によって結晶の出来る所の気温の値は著しく左右される。楔Eは銅または木で作り、E及びDの物質を色々組合せることによって、を適宜加減して色々の種類の結晶を作る際の二次的要素の調整をした。即ち結晶形は主として、室温と水温とで決定されるのであるが、結晶の出来る場所の周囲の熱的条件も二次的にはかなりの影響を与えるからである。
 Wは木の環わであって、これから上部は取りはずしが出来るようになっている。そして上部の形のいろいろ変ったものを挿しかえて、実験が出来るようにした。その一つは上部を単に短かくしたもので、結晶の出来る場所が暖い水蒸気の出口に近くなるようにしたものである。即ちこの第二の装置では第一の即ち第38図の装置よりも、同じ室温及び水温に対して、結晶の出来る所への水蒸気の供給が多いようにしたのである。第三の装置ではこれに反し上部を細くして水蒸気の供給が少くなるようにして見た。即ち一定の室温について、第二及び第三の装置では第一の装置の場合に比し、それぞれ水温を低くあるいは高くした場合に同形の結晶が得られるだろうという見込で、これらの装置を作ったのである。実験の結果は予想通りであって、水蒸気の対流の状態によって結晶形が著しく影響されることが確められた。
 次に対流の工合を全く異にする装置を作り、装置第四とした。その原理は、電熱で暖めた硝子管内に気流を自然上昇せしめ、冷えた銅の側管内を自然下降せしめるというのである。この装置では対流をかなり強くすることが出来て、毛に附着した雪の結晶が激しく動揺する位であった。羊歯状結晶はこの装置では非常に速く生長し大形のものが出来た。
 人工雪の研究の第二段としては先ず核の問題を調べる必要がある。
 雪の核の本来の意味は、水蒸気の凝縮の中心となるもの、即ちイオン、空気コロイド粒子あるいは細塵などを指すものであることは、既に詳しく述べた通りであるが、便宜のためここでは、それらに水蒸気が凝縮して出来た氷の微粒子を核と呼ぶこととする。即ちここでは核と呼ぶのは雪の結晶の極初期の状態を指すのである。
 先ず雪を吊すべき毛の上に今いった意味での核を作ることが問題なのであるが、それはかなりむずかしいことであって、普通に毛を上昇気流にさらすと、水蒸気は毛の全体に霜の結晶となって凝縮し、少数の雪の核だけを作る目的には適かなわない。問題は毛の上に点々と分離して附着した雪の核を作り、それから雪の結晶を発達させ、毛の他の部分には霜を附着させないようにすることに帰するのである。核を点々と分離して作ることに成功さえすれば、後はその核から色々の型の結晶を生長させるのは比較的容易である。それで核を作る最適の条件を発見するためには、いろいろの実験をしなければならなかった。それを箇条書にして書き出して見よう。
(1) 毛の乾燥度 毛は種類の如何いかんを問わず、十分に乾燥していることが大切であった。湿った毛を入れると、毛の全体が凍って氷の鞘さやで蔽おおわれてしまうので、霜は全体に生ずるのであろうと思われる。
(2) 水温の上げ方 毛を装置内に入れてから、水温を上げて暖い水蒸気を毛の方へ送るのであるが、この際水温のあげ方が大切である。は十度位から徐々に上げてゆくことが大切であって、急激に上昇させると沢山の核が毛一面に出来てしまう。は零度から上昇させてもその上げ方が緩ゆるやかならば差支えなかった。
(3) 毛の種類 結晶を吊す繊維としては、兎の腹毛、絹、木綿繊維、羊毛、蜘蛛の巣などを試みた。その中で兎の毛と絹の繊維とが一番良いことがわかった。他の繊維ではとかく核が沢山付きやすくて困った。兎の腹毛を高倍率の顕微鏡下で調べたところ、第39図のように所々に瘤こぶのあることがわかった。
  低温室内で水蒸気を凝縮させて見たが、この瘤が最初に氷で蔽われるのが見られた。水蒸気が微水滴に凝縮する場合、イオンを核として凝縮するといわれているが、それは空気中に塵埃じんあいが全くない場合で、少しでも塵埃があれば、イオンよりも塵の方を核として凝縮するのである。今イオンの問題を別にして考えるに、水滴の蒸発は表面張力の影響で飽和蒸気中でも進行する。それで微水滴の生長にはかなりの度の過飽和が必要である。その過飽和度は水滴が小さいほど大きいことが必要で、換言すれば与えられた過飽和度では、水滴が或る限界の大きさまで何かの理由で生長したものが、その先も生長することが出来、それより小さいものは蒸発してしまうのである。塵があると、これを中心として出来た水滴が多くの場合その限界の大きさを越えることが出来て益生長するのである。第39図に示した兎の腹毛の瘤に氷が附着して、小氷塊になると、その氷塊は益生長するが、他の部分には凝着しにくいので、或る点だけに雪の核が出来るものと説明される。後には絹繊維をパラフィン蒸気の上に暫くさらしてそれを用いて見たが、それも今の目的に適していた。
(4) 毛の太さ 同種の毛では太いものよりも細いものの方が結果がよかった。細いものは核が早くついて、そして点々と離れてつきやすかった。
(5) 天井の物質の影響 第38図の装置における天井Dの物質をかえるとが変り、随って核の出来方に影響した。勿論Dの物質はその後の雪の結晶の生長にも影響した。コルク、木材、銅の三種類を比較した所では、コルクの時が与えられた、に対してが一番高く、独立した核が出来やすかった。また核の出来るまでの時間も一番短かかった。銅の時はその反対で核の付くまでに時間がかかり、木材は両者の中間の性質を示した。これは熱の伝導度によるものである。
 これだけ事柄が分って来ると、毛の上に雪の核を少数だけ作るという一見甚だ無理なようなことが、難なく何時いつでも欲しい時に遂行出来るようになったのである。
 上述の核は雪の結晶の最初期の状態で、この状態ではその形は普通の倍率の顕微鏡ではまだ十分に識別することは出来ない。しかしこの核は見え始めるとどんどん生長して、間もなく顕微鏡下でその形と構造とがよく見える位に発達する。この状態を以下「結晶初期」の状態と呼ぶこととする。結晶初期の状態にもいろいろ雑多な種類があって、その複雑の度は雪の結晶の場合と同程度であることが分った。そのうち十二種の型を模型的に第40図に示す。その中(1)小六花、(6)鼓型、(10)コップ型、(11)角柱骸晶の四種だけは、写真を第41、42、43、44図(第10?11図版)に示すこととする。これらの結晶初期を三種類に分類して簡単な説明をすれば次の如くである。
(1) 急激に生長するもの (1)小形六花、(2)不規則形、及び(4)凍滴状はこの種類に属し、これらは例えば第41図(第10図版)に示した程度まで生長するのに三十分位かかる。同一実験において、一本の毛に例えば小形六花が出来、他の毛に角板集合が出来るようなことがあり、前者は生長が速く後者は遅いというようなことがしばしばある。これは多分核の形の差によるものと思われるが、核自身の形はわからない。高倍率にして見るために装置外に出すとすぐに昇華してしまうからである。
(2) 中間的のもの (3)扇形集合のもの、(5)薄手六角板などがこれであって、生長速度は(1)の場合よりも少し遅い。
(3) 生長の遅いもの (6)鼓型、(7)砲弾型、(9)厚手六角板及び(10)コップ型、(11)角柱骸晶及び(12)針などがこの類に属し、結晶を緩かに生長させた時に、これらのものが得られる。五時間位は普通で、中には二十五時間もかかったものもある。もっともこの時間は大した意味はないので、例えば二十五時間かかって生長したという結晶の写真を、十五時間のときにとったとしても、その差は少し形が小さいという位のことしか見られないのである。
 これらのうち、(8)(9)(10)及び(11)は結局同じもので、角柱の骸晶である。骸晶の模範的の形は第40図(11)に示したもので、同図上方は側面図、下方は平面図である。この結晶は上下両面及び側面から階段状の穴が入りこんでいるような形となっているので、(11)で斜線を引いてある部分が、氷の実質のある部分である。この角柱の丈たけが低くなると(9)の厚板になり、更に低くなると(8)の模様入り角板となるのである。(10)のコップ型の結晶は氷の部分が非常に薄くなった場合である。鼓型は天然の雪の場合には、一般に骸晶的発達をした角柱の両底面に六花が付いたものであるが、この場合の鼓型は無垢むくの氷の針に角板が付いたものである。この無垢の氷の針はそれ自身独立に出来ることもあって、その例が(12)である。このような結晶は天然の場合にはまだ見当らない。生成条件は詳しいことは分らないが、低温、零下三十度以下で水蒸気の供給を少くした時に出来やすいようである。
 次には以上に述べた「結晶初期」の状態がその後の雪の結晶の生長にどのような影響を及ぼすかという問題が出て来る。即ち地上へ降って来てわれわれの目にふれるいわゆる雪の結晶は、この初期の結晶の如きものから漸次生長して大きくなった結晶なのである。この結晶の初期状態がその後の結晶生長に及ぼす影響を示す好い例は立体樹枝型の雪である。
 天然の雪には立体樹枝の中に立体六花型と放射型とがあることは前に述べた通りである。初めの立体六花型の雪は普通の六花型の結晶が生長してゆく途中、他の核が枝の各点に附着して、其処から立体的に余分の樹枝状の枝が伸び出たものと考えれば説明が出来るのである。ところが放射型のものは、結晶が生成初期において特殊な形をしていたために、その各点から枝が八方に伸び出たものと考えねばならない。放射型の中でも前に述べたように、中心に角柱の集合があるものはそれを初期状態と見ればよいのであるが、中にはこの角柱集合が見えぬものもある。その種のものはこの実験から第40図の(3)即ち扇形集合から発達したものであることが分った。即ち初めに扇形集合を作って置いて、それから樹枝を発達させると、ちゃんと放射型の立体樹枝になったのである。第47(第12図版)がその一例である。これらの結晶初期の形というものは、天然雪の場合では天空において出来始めた形であるから、本来は窺い知ることが出来ないものである。ところが人工雪においては、これらのことが判然と知ることが出来るのである。
 このようにして人工雪が何時いつでも出来るようになったので、室温、水温、装置などを色々変えて、約七百種ばかりの結晶を作ってその顕微鏡写真を撮った。
 室温は初めは零下二十度乃至三十度位で実験を行っていたのであるが、その後室温を零下四十度位まで下げて見ると、出来る結晶の形がまるで変ってしまうことが分った。それで実験を二つの群に分けて、零下二十度乃至三十度の時の結晶と、零下四十度附近の時の結晶とに分けて説明することとする。
 この実験で分ったことは、前に採用した過飽和比というものは、あの時にも説明したように、装置をきめた時に、その装置での相対的の意味しか持たないものであるということがはっきりしたのである。ところで過飽和比というものは、直接に結晶の形をきめるものではなく、過飽和が結晶の生長速度をきめ、その速度が結晶の形を左右するものなのである。それで今度は結晶の生長速度を測って、それを結晶形をきめる目安とした。折角前に採用した過飽和比を捨てるのは今まで無駄をしていたように思われるかも知れないが、実際はそうではない。研究というものは、このように何度でもぐるぐる廻りをしている中に少しずつ進歩して行くもので、丁度ねじの運行のようなものなのである。
 最初の室温零下二十度乃至三十度の実験では、出来た結晶の形を簡単のために、五種類に分類した。(1)羊歯状、(2)普通の樹枝状及び広幅の六花、(3)扇形及び角板、(4)不規則形及び側面結晶、(5)針状その他の五つである。これらの人工雪の例は第45~49図(第11?12図版)の写真に示した如くで、即ち第45図(第11図版)が羊歯状の模範的なもの、ただし一方の枝はすこし短い。第46図が普通の樹枝状の雪、第47図が放射型の立体樹枝である。この立体樹枝は前述のように扇形集合の初期状態のものから作った結晶で、第20図(第7図版)の天然雪の同種のものと比較すれば、両者が全く同じものであることが分るであろう。第48図の写真は側面結晶の例で、これも同種の天然雪の結晶、即ち第25図(第8図版)と殆ど同じものである。針状結晶も人工で容易に出来るので、その一例は第49図に示す通りである。
 これらの各の結晶について分ったことを纏まとめて見ると次のような結論になる。
(1) 結晶の平均生長速度は
羊歯状         四?六 粍/時
普通及び広幅樹枝    一?三 〃
扇形及び角板      〇?六六〃
側面結晶及び不規則形  〇?五 〃
となった。羊歯状の結晶が生長が速く、角板などが遅いことは分っていたのであるが、これでその程度がはっきりしたのである。
(2) 羊歯状及び普通樹枝状はが零下十五度乃至二十三度の範囲内で出来やすく、が零下二十三度以下の低温では、色々水蒸気の供給度を変えて見たが、どうしても出来なかった。即ち美しい六花の結晶の出来るためには気温が或る範囲内にある必要があるらしい。もっとも天然には気温零下三十度の所でも美しい六花が降ることがあるかも知れないが、冬期そのように気温が下る土地では、気温の逆転という現象があって、数粁キロ上空の方が地上よりかえって温度が高いことが多いのだから、この説の反証にはならない。
(3) が零下二十三度以下では、結晶は不規則形または側面結晶となりやすい。
(4) 或る特定の結晶を作る場合、水温は一定の室温についても広い範囲内に変化したが、これは装置内の対流が一定ではないためによるものと思われる。随って水温では事柄を決めることが出来ない。
(5) 結晶初期状態の影響は側面結晶の時に著しい。
 以上のように書くと大変よく雪の出来る機構が分ったようであるが、実際は、結晶生成の際その形を決める外的条件は非常に複雑なのである。例えばこの実験では勝手に調節し得る条件は室温と水温とである。結晶の出来る所の気温はととそれから装置内の対流とによって決まる。その中対流は不安定なもので、顕微鏡的に見た即ち非常に小範囲内での激しい偏差フラクチュエーションがあるものである。即ちは時間的にも空間的にも激しい偏差があるもので、その値は統計的にしか決められないものである。ところが結晶の形は時間的並に空間的のこれらの偏差によって支配されるものであるから、統計的のの値即ち寒暖計の指す値では簡単に決められない。雪の結晶の出来る機構を本当によく分らすためには、この条件の偏差と結晶形との関係を調べる必要がある。この問題は目下研究中であって、かなりの結果は出ているが、本書の性質上省くこととする。要するにこういう問題はなかなかそう簡単には片付くものではないことを了解してもらえればよいのである。
 室温を零下四十度附近まで下げると、雪の結晶の形はすっかり変って来る。そして最もはや美麗な六花の雪にはならなくなる。大抵は角柱と側面との集合になるか、各種の小結晶の不規則集合となってしまう。
 この実験では水蒸気の供給度を調節するために絞りをつけて上昇気流を加減して見た。その結果分ったことは、気温がうんと低くて水蒸気の供給が少い時には、結晶は角柱と角板との不規則集合、即ち天然雪の「粉雪」(第8図版第26図)になることである。その一例は第50図(第12図版)に示す如くである。この写真と前の第26図の天然雪とを較べて見ればその類似がよく分るであろう。高山地方でこの種の「粉雪」の出来る条件として想像されるものは、この人工雪の実験の条件と同じものである。
 この時水蒸気の供給をうんと増すと、結晶は箒ほうき状の無定形に近い形となる。その箒状の結晶は、よく見ると内部に樹枝に近い結晶質の骨組があるもので、天然には樺太からふとの豊原とよはら近郊で同種のものが撮影された例がある。
 以上の実験の外に、気温をうんと低くして、水蒸気の温度及び供給度を極端に減らして数十時間かけてゆっくり結晶を作った場合と、普通の条件で出来た雪の結晶を放置してその昇華蒸発を調べた場合の実験とを行った。それらの結果は省略することとするが、要するにこれで人工雪の実験は一段落という所まで出来上ったのである。しかし以上に述べたような色々の結論は、もう四、五年も研究を続けたらまた変ってしまうかも知れない。またそうありたいものと願っている次第である。
 このように色々苦労をして人工で雪を作って見るというのも、その目的は何かといえば、第一の目的は雪の本質を知りたいというのである。もっともこういうことも附け加えて置いてもよいだろう。
 冬期の降雪中の航空は甚だ困難な問題なのである。何故かというと、上層の気象状態がちっともわかっていないからである。普通上層の気象状態を測るには小気球を飛ばせて、それを地上から観測して、その気球の動き工合から上層の気流などを調べることが多い。また上層の水蒸気の量及び気温を測るには、気球に自記寒暖計、湿度計、気圧計などをつけて飛ばしたりあるいは大形の凧たこを上げたり、飛行機で観測したりするのである。ところが、雪の降っている時は気球を飛ばしてもすぐ見えなくなってしまうし、凧を上げることも困難である。また飛行機を降雪中に飛ばすことは一層危険であって、むしろ降雪中の飛行は、その時の上層の気象状態を別の方法で測ってから後に飛ぶのが順序である。して見ると目下のところ雪の降っている時の上層の気象状態を知るためには、殆ど方法がないと言わなければならない。もっともラジオゾンデというものがあって、小さいラジオの発信機を気球につけてとばし、その発信する電波の波長が温度、湿度などで変るようにして置く。そうすれば地上で電波を受信してその波長を刻々に測って置けば、各層の温度や湿度が分るはずである。しかしこの方法は大変金がかかるのが欠点であり、かつ雪の降ってる時にラジオゾンデを飛ばせた例はまだ少いので何か困難が出て来るかも知れない。ところが此処に雪の結晶を利用するという面白い思い付きがある。
 寺田寅彦先生の「小浅間」という文章の中に左のような一節がある。
 先生は昭和十年の夏小浅間へのぼられた。丁度その時小浅間の頂上には地震研究所のT君が観測するために天幕をはって滞在しているのを訪問かたがた登山されたのである。
まわりに落ち散らばっている火山の噴出物にも実に色々な種類のものがある。多稜形をした外面が黒く緻密な岩肌を示して、それに深い亀裂の入った麺麭殻型ブレッドクラストの火山弾もある。灼熱した岩片が落下して表面は急激に冷えるが内部は急には冷えない、それが徐々に冷える間は、岩質中に含まれたガス体が外部の圧力の減った結果として次第に泡沫となって遊離して来る、従って内部が次第に海綿状に粗鬆そしょうになると同時に膨脹して外側の固結した皮殻に深い亀裂を生じたのではないかという気がする。表面の殻が冷却収縮したためというだけではどうも説明が難かしいように思われる。実際この種の火山弾の破片で内部の軽石状構造を示すものが多いようである。(中略)
その他にも色々な種類の噴出物がそれぞれにちがった経歴を秘めかくして静かに横よこたわっている。一つ一つが貴重なロゼッタストーンである。その表面と内部には恐らく数百頁にも印刷し切れないだけの「記録」が包蔵されている。悲しいことにはわれわれはまだ、その聖文字ヒエログリフを読みほごす知能が恵まれていない。
 寺田先生は、小浅間にのぼられる道々に転ころがっている岩石の石片を眺められながら、これだけのことを考えられた。これは地の底から噴出した物質から、地殻内部の構造を窺おうとする一つの方法を暗示されたのであるが、われわれの今問題としているのは、天空高く、飛行機も気球も大凧も窺い得ない世界の気象状態を知ろうという欲望である。この二つは丁度反対の事柄、即ち天と地との差はあるが、その方法として考える道筋の同一であることを示しているので、ここに引用したわけである。
 さて、雪は高層において、まず中心部が出来それが地表まで降って来る間、各層においてそれぞれ異る生長をして、複雑な形になって、地表へ達すると考えねばならない。それで雪の結晶形及び模様が如何なる条件で出来たかということがわかれば、結晶の顕微鏡写真を見れば、上層から地表までの大気の構造を知ることが出来るはずである。そのためには雪の結晶を人工的に作って見て、天然に見られる雪の全種類を作ることが出来れば、その実験室内の測定値から、今度は逆にその形の雪が降った時の上層の気象の状態を類推することが出来るはずである。
 このように見れば雪の結晶は、天から送られた手紙であるということが出来る。そしてその中の文句は結晶の形及び模様という暗号で書かれているのである。その暗号を読みとく仕事が即ち人工雪の研究であるということも出来るのである。
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